自分の軌跡を形に


by kazuyuna
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FF3小説 書き換えました

先日アップしていた小説、未熟ながらも不満点がありましたので
改訂版として再びアップしました。

やはりセリフの前に名前があるのは、小説としては未完成な気がして。
まぁ、今回のもまだまだ改善の余地はあるのですけどねぇ。

というわけですので、興味がある方がいらっしゃいましたら
前回と見比べてみるのも面白いかもしれません。
別に面白くない?……すみません。

小説へのリンクの前に以前から加わった語句の説明を少し。

【サロニア】
世界で最も大きな国(だと思われる)
大きな城の他には城下町が4つほどあり、一日でまわりきることは
難しいのではないだろうか。
ちなみに、ルーネス達はサロニアの内乱に巻き込まれて
飛空挺エンタープライズを失った。

【アルス】
出会った頃はサロニアの王子であり、魔物に操られていた王によって
城外に追い出されていた。
ルーネス達が魔物を倒すものの、父はアルスを守るために倒れた。
今はサロニアを治める若き王である。
出会った頃に見られた未熟な点を感じさせなくなっている。


それでは、以下のリンクをクリックしてみてください。
 *注:劇的な変化はありません……。



闇の世界で出会った戦士達。そして大勢の仲間達。
ルーネス達は、皆の力を借りて闇の氾濫を阻止することに成功した。
このお話は、皆を故郷に送り届けている時に起こった真実の物語。

――――インビンシブル内――――

飛空挺内では旅中の経験が語られていた。
嬉しかったこと、苦しかったこと。皆、笑顔で語っていた。
4人で航行していた時とは違い、心地よい騒がしさがそこにはあった。

4人はサロニアにアルスを送り届け、再び飛空挺に乗り込んだ。
最後尾であったルーネスが、飛空挺の扉へと繋がるはしごを
登りきった後に言った。その発言は「誰かに」言っているというものではなく、
皆に向けて言った言葉のようだった。

「悪い。ちょっとだけ時間、いいかな?」
「どうしたの?」

ルーネスの言葉にすぐさま反応するレフィア。
一呼吸置いてルーネスは応えた。

「水の神殿に行って欲しいんだ」

船内の皆が不思議そうにルーネスを見つめる。ただ、その中でたった一人。
幼馴染であったアルクゥだけは言葉足らずなルーネスの真意に気づいた。

「そっかぁ。エリアさんにお礼を言いに行くんだね?」
「……ああ」

ルーネスの提案にイングズも賛同の意を唱える。

「そうだな。彼女にも伝えないとな、世界は平和になったのだと」

そう言い終るや否や、インビンシブルを操縦していたイングズは
進行方向を水の神殿へと向けた。
その時、レフィアの顔に陰りがあったことに気づいた者はいなかった……。

程なくして水の神殿へと到着した。
扉を開け、インビンシブルから降りてくる光の戦士達。

「皆、ちょっとだけ待っててくれないか?」

ルーネスの言葉に対し、飛空挺内のシド、デッシュ、サラが反応する。

「世界を救ってくれた恩人じゃぞ?いつまででも待っておるわい」
「大事な用……みたいだな。行ってきな」
「わたしもついていきたい。
でも、それではあしでまといになってしまいますね……」

船内に残る仲間達に暫しの別れを告げて水の洞窟に入る4人。
闇の元凶「くらやみのくも」を打ち払ったからなのか、邪気は感じられない。
自分達の住んでいる世界は平和になったのだという実感が沸いてくる。

そして、遂に4人は水のクリスタルの元へとやってきた。
水のクリスタルは眩いばかりの輝きを放っている。
クリスタルが放つ光は、最初に見た頃よりもやさしく、つよく感じられた。
クリスタルを見つめ、各々が水の巫女エリアに語り出す。

「エリアさん、ありがとう。貴方がいたからルーネスは救われました」
「そして世界も。私達が今ここにいるのは貴方のおかげです」

アルクゥ、イングズに続き、ルーネスが感謝の気持ちを言葉にする。

「……君にはいくら感謝しても足りないと思う。本当にあり……」

ルーネスの言葉が言い終わらないうちにレフィアが叫んだ。

「やめて!」

予想だにしなかったレフィアの叫びにルーネスは驚いたように問う。

「ど、どうしたんだ、レフィア。 何をやめるんだ?」
「もう……もう、これ以上ここにはいたくないの。
エリアさんを思い出したくないの。だって、だって……」

気づけばレフィアは涙声になっていた。
気の強いレフィアの涙を見た3人は驚きの表情を隠せない。
しかし、レフィアの次の発言は更に驚愕の事実を告げる。

「エリアさんを殺したのは私だから!」

レフィアの叫び声によって洞窟内に静寂が広がった。
その静寂は、いつまでも続くように思われた。

―――長い沈黙を破ったのはイングズだった。

「どういう……ことだ?」

イングズの言葉にアルクゥとルーネスも続く。

「だって、エリアさんはクラーケンの毒矢で……」
「そうだ。彼女だけは俺を狙った毒矢に気づいていた。
そして、俺の代わりに……」

2人の声に首を振りながらレフィアが答える。

「……違う」
「何が違うんだ?」
「私も……私も気づいていたわ。ルーネスを狙った毒矢に。
でも、足がすくんで動けなかったの……。
このままではルーネスが危ない。心の中では、そう叫んでいたのに!」

レフィアの顔は濡れていた。
涙で。エリアを想う涙で。そして、ルーネスを想う涙で。
流れ落ちる涙を拭こうともせず、レフィアは言葉を続けた。

「でも、エリアさんは違った。何の迷いもなく毒矢へと向かっていったわ。
ルーネス、貴方を助けるために。
その結果、死ぬということは分かっていたのに……」

暫しの静寂の後、レフィアが再び口を開いた。

「だから!……だから、エリアさんを殺したのは私……なの」

レフィアの言葉は次第に小さくなり、言葉尻を聞き取ることは出来なかった。
ルーネス、アルクゥ、イングズの3人は言葉を返せない。
無理もない。どういう言葉をかけたらいいというのだろう。

やがて沈黙に耐えられなくなったレフィアが叫んだ。

「なんで? なんで私が光の戦士なの? 教えて? 誰か教えてよ。
仲間を救うことも出来ない、こんな私が光の戦士だなんて……教えてよ!」

レフィアの叫び声に反応するようにクリスタルの光が強さを増した。
そして、強い光を放ったクリスタルがレフィアへと語り出した。

「それは違います」

その声にいち早く反応したのはイングズだった。
そして、クリスタルの最も近くにいたアルクゥも言葉を発する。

「この声は?」
「こ、こんなことって……」

最後に、決して聞き間違うことがないであろう人の名前をルーネスが叫んだ。

「エリアの声だ!」

クリスタルから聞こえる声はまさに水の巫女エリアだった。
エリアは優しく言葉を紡いだ。

「レフィアさん。貴方は言いましたね。ルーネスさんを救おうとしなかった、と」
「……そうよ。私はルーネスを救おうとしなかった。その通りよ……」
「それは……嘘です。私は知っています。
貴方がクラーケンに対してシェイド(麻痺魔法)を使おうとしていたことを」
「……どうして。どうして知っているの?」

不思議そうな顔をして尋ねるレフィアに答えるようにエリアは続ける。
もちろん、ここにエリアはいない。
だが、聞こえてくるエリアの優しい声はエリアの微笑みを想像させた。

「貴方は私よりも先に気づいていた。そう、矢が飛んでくる前に。
クラーケンが矢を打とうとしている時に気づいていたのです。 
それを食い止めるために、貴方は魔法の詠唱を始めた。
私は、飛んでくる矢でクラーケンの存在に気づいたのではないのです。
貴方の詠唱姿を見て異変を感じとったのですよ」

エリアの声を聞いて、その場面を思い出したのであろう。
落胆したようにレフィアが呟く。

「……間に合わなかったけど、ね」
「そう……ですね。矢を放った直後に魔法の詠唱が終わったのでしたね」
「仲間を……ルーネスを救えなかったことに違いはないわ」
「いいえ。貴方はルーネスを庇おうと走り出そうとしていました。
魔法が駄目なら自らの体で。そう考えたのでしょう?
ただ、詠唱を終えたばかりで動けなかっただけ。
だから、私のほうがルーネスさんに先に辿り着いただけなのです」
「……」

エリアの言葉に聞き入っていた3人はレフィアへ視線を向ける。
そして、イングズがレフィアへと語りかけた。

「……仲間を救おうとしなかったから光の戦士じゃない、か。
何故そんなことを言うんだ?
貴方の行動は仲間を救おうとした姿以外のなにものでもない」

イングズに賛同するようにアルクゥが語りかける。

「そうだよ。僕達は異変に気づくことさえ出来なかったんだ。
レフィアがルーネスを救ってくれたんじゃないか!」
「でも……でも、私……」

涙で声にならないレフィアへルーネスが語りかける。

「……認めている」
「……え?」
「俺は認めている。レフィアが光の戦士だってことをな。いや、俺だけじゃない。
ここにいるアルクゥ、イングズ。そして、世界中の皆がだ!」

ルーネスの力強い言葉に続き、2人もレフィアへ言葉をかける。

「そうだよ!」
「胸を張るんだ!レフィア。貴方がいなければ世界は闇に包まれていた」

そして、最後にルーネスがレフィアの肩を抱き優しく語りかける。

「お前が気に病むことなんてないんだ。
だって、お前は俺を助けようとしてくれたじゃないか。
その優しさが、そのレフィアらしさこそが光の戦士である何よりの証拠だ!」

レフィアは、ルーネスの胸の中で涙を拭った。
そして、自分の仲間達、最高の仲間達へ向けて自分の気持ちを口にした。

「みんな……。ありがとう……。私、皆と出会えて良かった。
光の戦士が皆で……本当に良かった!」

レフィアの声を聞いたエリアが安心したように言葉を発する。

「そう。それでこそ光の戦士達。やさしくて、つよい。光の戦士たち……」

その言葉を最後にエリアの声は聞こえなくなり、
二度と聞こえてくることはなかった。
今思えば、ルーネスが水の神殿に行こうと提案したのはエリアの声に
導かれていたのかもしれない。
水のクリスタルが放った光は、心に傷を持っていたレフィアを癒すために
エリアが起こした奇跡だったのかもしれない。
真実は分からない。ただ、どうしてもそう思わずにはいられないのだ。


私達は忘れてはならない。世界を救ってくれた4人の戦士達を。
私達は語り継がなければならない。光の戦士を支えてくれた人達のことを。

クリスタルは悠久の風を受けながら光を放っていた。
決して失われることのない永久に続く光を……。

―――Fin―――                                      
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by kazuyuna | 2006-09-06 19:53 | 小説