自分の軌跡を形に


by kazuyuna
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FF3小説 第二弾

さて、なんとなくお話が思い浮かんだのでまた書いてみました。
書き始めるまでは長いですが、書き始めると一気に書き上げます。
ま、お話が短いっていうのもあるんですけどね。

今回の小説には、ほとんどネタばれは含まれてません(ゲーム中盤まで
クリアしているのなら、全く問題ないです)ので、未クリアの方も
安心して読めると思います。

それでは、内容理解支援のためにいつも通り語句の説明から。


【ルーネス、アルクゥ、レフィア、イングズ】
大体の説明は先日書きましたので公式サイトにリンク貼っておきます。
リンクに飛んだ後「CHARACTER」をクリック! *注:音が出ます

【チョコボ】
高速で走行する黄色い鳥。鳴き声は「クェッ」。
FF世界のマスコット的存在であり、乗り物として利用されることが多い。
チョコボを利用すれば高速移動な上、魔物に襲われないので
チョコボ愛好者は多いと思われる。
*上のリンク先の「MOVIE」のプロモーションムービーで姿を鑑賞できます。

【世界一周】
小説内の子供が指す「世界」とは、実は本当の世界全体を指してはいない。
チョコボに乗れば、一周することはそう時間がかかることではない。

【チョコボの森】
チョコボが多く生息している森。
チョコボを惹きつける魅力的なものがある……かどうかは定かではない。
ただ、群れているところを見ると孤独が好きなわけではなさそうである。

【小人のパン】
アイテムとして使用すると地図表示魔法「サイトロ」と同等の効果がある。
安価で購入できるのだが、使う機会は少ない。
食べられるかどうかは定かではないが、小説内では食物として扱っている。


説明はこんな感じでしょうか?
それでは「FF3 小説 第二弾」をクリックしてみてください!




~貴方がいたから~

目の前にはのどかな風景が広がる。耳を澄ませば小鳥の囀りが聞こえる。
私達が訪れているのは古代人の村。悠久の時を感じさせてくれる村だ。
村の人々の話を聞いているうちに、いつのまにか夕刻過ぎになっていた。

「ねぇねぇ、お兄ちゃん達。世界一周してきたら良いものあげるよ!」

急に村の子供に話しかけられてびくっとしてしまう。
そんな中、ルーネスだけは目を輝かせて子供に言葉を返す。

「本当か?よーし、すぐに一周してきてやるよ!」

その言葉にすぐ反応してしまう私。

「ちょっと~。もう遅いし、時間あんまりないわよ?」

憎まれ口を叩いてしまう私だが内心はそうではない。
子供が言う「良いもの」が気になるし、何よりルーネスの好奇心いっぱいの
輝いている目にどきどきしていた。

「いやぁ、大丈夫だろ?まだ時間あるって!なぁ、アルクゥ?」
「え?……う、うん。大丈夫じゃない……かなぁ」

急に話をふられ困っているアルクゥにイングズが助け舟を出す。

「……まったく。お前は一度言い出したら聞かないからな。
 幸い、チョコボの森も近くにある。夜までには帰ってこられるだろう」
「だよな?じゃあ、早速行ってくる!」

走り出したルーネスの肩をつかみ、イングズが引き止める。

「ルーネス、ちょっと待て」

ルーネスの肩に手を置いたまま、イングズが私のほうに振り向く。

「レフィア。悪いが、ルーネスと一緒に行ってきてくれないか?」

その言葉にルーネスと私が同時に反応する。

「どうしてだよ?」
「どうしてよ?」

二人の反応が同じだったことがおかしかったのか
イングズは笑いながら私達の問いに答える。

「ルーネスを一人にしておいたら、いつ帰ってくるか分からないからな」
「それは……そうかも」
「アルクゥ……お前まで……」

イングズの言葉に即同意したアルクゥに肩を落とすルーネス。
私は、その光景がおかしくて思わず吹き出しそうになってしまう。

「ふふ。そういうことなら仕方ないわね。
 じゃあ、レフィアおねぇちゃんと一緒に行きましょうね。
 ルーネスちゃん……ふふ」
「へいへい……分かりましたよ」

渋々了承したルーネスにイングズが再び言葉を発する。

「それでは、私達は先に宿の予約を済ませておくから」
「うん。そうだね。待ってるから早く帰ってきてね~」

手を降るアルクゥに暫しの別れを告げ、私達はチョコボの森に向かう。
チョコボの森は村のすぐ横だ。村を出て数分で到着した。

「俺一人でもちゃんと帰ってこれるのになぁ~」
「なによ?私と一緒なのがそんなに嫌なの?」
「い、いや。そういうわけじゃないけどさ。……あ!チョコボみ~っけ」
「ちゃんと話をききなさい!……んもう!」

口調は怒っていたが、私は笑顔になっていた……と思う。
ルーネスといる時間がそうさせているのだと確信できる。

チョコボに乗ったルーネスが出発の合図を送る。

「じゃあ、世界一周に向けて出発だ!」
「そうね!レッツゴ~!」

チョコボに乗って風を受けながらルーネスが言う。

「うわぁ。俺達の住んでる世界って広いんだな」
「そうね。知らない街もたくさんあるかもしれないわね」
「これからいろんな人に出会えるといいな!」
「きっと出会えるわよ。実際、私は……」

思わず言ってしまいそうになり、私は慌てて右手で口をふさぐ。
(危ない危ない。もう少しで「大切な人に会えたから」というところだったわ)

「なんて言ったんだ?風で聞こえなかったよ」
「な、なんでもないわ。能天気な楽天家さんに会えたって言ったのよ」
「誰のことだよ!」
「ふふ……さぁね?」

会話を繰り広げているとあっという間に村に着いてしまった。
チョコボから降りたルーネスはお礼を言っている。

「ありがとな!またよろしく」
「クェッ!」

私は走っていくチョコボの背中に向かって叫んだ。

「ありがとね!チョコボちゃん」

チョコボへのお礼を済ませたルーネスが私に話しかけてきた。

「じゃあ、早速あの子のところに行こうぜ」
「あ、待って。ちょっと待ってよ~」

そう言うや否や駆け出したルーネスを私は追いかける。近すぎず遠すぎず。
この距離感が私達二人の関係を示しているのかもしれない。

私達に話しかけてきた村の子供は同じ場所で待っていた。
遠くからでも、右手に何かを持っていることが分かる。

「世界一周してきたぜ。良いものくれるんだよな?」
「本当?すごいなぁ、お兄ちゃんは。じゃあ、はいこれ」

子供は右手に持っていたものをルーネスに手渡し
「良いもの」の説明を加える。

「今日のお小遣いで買ってきたんだ。きっと美味しいよ!」

(小人のパン……ね。確かに子供から見れば良いものかもしれないけど。
ちょっとルーネスが期待していたものとは違うんじゃないかしら)

きっとルーネスは落ち込んでいると思い、ルーネスの顔を覗き込んだ。
ところが、私の予想は見事に外れていた。
私の目には、満面の笑みを浮かべたルーネスの顔が飛び込んできたのだ。
本当に嬉しそうな声をあげて、ルーネスは子供に喋りかける。

「やった!ありがとな!また世界一周の話を聞かせてやるよ」
「本当?わーい。ありがとう、お兄ちゃん」
「じゃあ、俺達は宿に行かなけいといけないからさ。また明日な!」
「うん。バイバイ。おねぇちゃんもバイバーイ」
「うん。またね!」

子供と別れて宿に向かいながら、私はルーネスに話しかける。

「まさか「小人のパン」で、貴方があんなに喜ぶとは思わなかったわ」
「んーだってさ。あの子にとっては大切なもんだろ?」
「そうでしょうね、きっと」
「そんなに大切なものをくれたんだぜ?そりゃあ、嬉しいさ。
 それにさ、こっちが喜ばないとあの子が悲しい思いをするじゃないか」

笑顔のルーネスを見つめて想う。

(……そうね。私は貴方のそんなところに惹かれているのかもね。
 周りの皆を元気にすることが出来る。そんな力に)

無言になった私にルーネスがからかうように言う。

「あーお前、もっと良いものを貰えると思ってたから元気ないんだろ?」
「ち、違うわよ。だって、私は……」

(世界で一番大切なもの。もう貰ってるもの!)
心の中でそう大きく叫んだ私は微笑みを浮かべる。

「……ふふ」
「な、なんだよ。急に笑って変なやつだな」
「まぁ、いいじゃない?さて、宿に向かいましょう。二人が待っているわ」
「そうだな。明日からの冒険に備えてゆっくり休むとするか」

貴方に出会えて私は変わったわ。そして、これからも変わっていくと思う。
そんな私を見ていて欲しい。貴方に。いつまでも。いつまでも……。

―――――Fin―――――
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by kazuyuna | 2006-09-03 16:16 | 小説